吉田竜太

名もなきコリアンと強化指定選手

2020/03/12
とても良く晴れたとても気持ちの良い朝を迎えて(花粉の飛散はひどいものだったが)、私はいつもの練習コースを気分よく快調に走っていた。
いくつかのメニューをこなし練習も終盤、ハンドリムを固定しているネジが途中からカチャカチャと耳障りな音をたてていたがいよいよ1本、2本と外れてゆく。
ついには5本中4本のネジが外れ、外れず残った1本のネジを軸にしてそれはタイヤの回転に合わせ回りだす。
練習を切り上げて帰ろうにもタイヤに合わせていちいち回転するハンドリムが邪魔をし、人の歩く速度ですらも進めない。
さらに悪いことに現在地は練習開始位置から最も遠いのだ。
せっかくの良い練習も帰るのに30分以上かかるかと思うと夏雲が広がるかのように私の心は曇ってゆく。

と、そこへ現れた名もなき異国のロードレーサー。
彼は明らかに自身のロードバイクとは違う3輪に乗る言葉の通じないであろう私に躊躇うことなく近づくと、おもむろにいくつかの工具を取り出し外れたネジを締め付ける作業に取り掛かった。
ネジはきゅっ、きゅっと小さな音をたて1本、また1本と締め付けられてゆく。
彼はこんなことは朝飯前とばかりに僅かな時間でネジを締め付け終わると、私と固い握手をかわしまた彼の向かう先へと走り去った。
「カムサムニダ、、、」
「カムサムニダーーー(ToT)/~~~」
私は遠くなる彼の背中に異国の言葉で何度もお礼を言ったのであった。 完

彼からすれば異国の地で言葉も通じない、どう見ても相手をしたら面倒くさそうな私に手を差し伸べてくれたことにありがたさを超えてちょっと感動すら覚えました。

私は海外に行って同じようなことができるでしょうか。
いや、できないでしょう。日本にいても見知らぬ異国の方に声をかけることなんてできないのですから。

ありがとう。今度マラソンでソウルに行ったら海苔をたくさん買うからねー♪

いや、でもちょっと待てよ。
日本にいる韓国の人ってだいたい日本語を話せる気がする、、、
もしかして中国の人だった???
思い切りカムサムニダって言ってしまったけれど(;^_^A (笑)

そんな朝です。

↓2020年度日本パラ陸上競技連盟強化指定選手及び強化育成指定選手名簿についてはこちら↓ 

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